ノマドワークってなあに?今一度おさらいしてみましょう

インターネットやスマートフォンの普及とともに台頭してきたノマドワークというワーキングスタイル。一見定着した用語のようですが、はっきりとはわからないという意見も。一体ノマドワークとはどのような働き方なのか、ノマドワーカーとはどういった人たちを指すのか今一度定義をおさらいしてみましょう。またノマドワークを始めたい人に向け、必要な心構えなどを紹介します。

1. ノマドとは?「ノマドワーク」は和製英語?

「ノマド」(nomad)とは、英語で“遊牧民”を指す言葉です。遊牧民は家畜を連れて各地を転々として生活しますが、ノマドワーカーは家畜ではなくノートPCやモバイル機器を従え、働く場所を転々とする人たちです。このように働く場所を一か所に固定しない働き方をノマドワークと呼びます。

ノマドという概念はアメリカから輸入されたように見えますが、ちょっと違うようです。ノマドワーカーという表現は英語で通じるようですが、日本人が使うニュアンスはちょっと違います。ノマドという単語自体「遊牧民」や「放浪する人」と言う意味をもつので英語でノマドワーカーと言うときは「あちこち転々として働く人」という意味になります。日本人が使う同様の言い方は英語ではデジタルノマド(digital nomad)と言います。ぜひ覚えておきましょう。またteleworkerやteleworkという言い方ありますので、外国人の前で使うときは誤解を生じないよう注意が必要です。

2.ノマドワークはいつから始まった?

「ノマド」という言葉が世に出たのは2005年ごろ米国バークレー在住のジャーナリスト松村太郎さんがはじめと言われています。この頃松村さんが提案していた「ノマドワークスタイル」とはガジェットやクラウドを活用して「場所にとらわれない」働き方をすることと話しています。

その後ノマドというキーワードが日本でメディアに頻繁に取り上げられるようになったのが、2009年ごろ。同年ジャーナリストの佐々木俊尚さんが著書「仕事するのにオフィスはいらない」の中で「ノマド」について書かれていて「オフィスのない会社」「働く場所を自由に選択する会社員」といったワークスタイルについて提唱しています。

3.ノマドワークって一体なあに?ノマドの定義をおさらいします。

3-1. もともとのノマドワーク、ノマドワーカーの定義は何

ノマドワークは職業や職種ではありません。あくまで「働き方」という手段を指して言います。デジタルデバイスとネットワーク環境の変化により、主にデスクワークを行っていた人たちは働く場所を自由に選んで仕事ができるようになりました。このように場所を固定せずにデジタル機器をうまく利用しながら働く方法がノマドワークであり、ノマドワーカーはその方法を利用して働く人たちを指します。

3-2. ノマド=フリーランサー、個人事業主のことですか??

ノマドは働く場所を自由に選んで仕事を行うことであり、必ずしもフリーランサーを指す言葉ではありません。現状日本のサラリーマンは毎日同じ時間に同じ場所で働くことを義務付けられていることが多いため、ノマドな働き方をすることは難しいと言えますが、サラリーマンでも自由な時間と場所で働くことを許されている場合は、ある日はカフェ、ある日は自宅やコワーキングスペースで働くこともあるでしょう。これもノマドです。またフリーランサーでもオフィスを持ち、同じ時間同じ場所で働く場合もあります。これはノマドではありません。「職業・雇用形態」ではなく、あくまで手段と言うことを忘れないでください。

3-3. ノマドワークはオシャレな働き方なのか?

2009年に松村さんは「その境界を超えてゆけ」松村 太郎 – ジャーナリストのなかで「ノマド」の持つ意味が「ファッションになったかな」という変化について話されています。「今多分ノマドと言ったら真っ先に思い浮かぶのが、カフェでノートパソコン開いている人、というイメージになったんで、それくらいライトなファッション的なキーワードになったんだなあ、というのがこの4年の変化だと思うんですよね。」と言っています。

働き方という手段がなぜかファッションだけに注目が集まり、カフェでノートPCを開いて得意げに仕事をする人たちをノマドワーカーとして見る風潮が出始めました。働き方が時代の先を行く働き方でありでカッコイイと考えることも出来ますが、最新のデジタルデバイスとカフェといったようなファッションだけを取り上げ「オシャレな働き方」と定義するのは大きな誤解でしょう。

3-4. ノマドな生き方という新しい概念

あくまで働き方と主張してきたノマドですが、ひとつの組織に縛られず自分らしく働き、自由な生き方をするという概念が出てきました。

松村さん・佐々木さんの言われていたノマドの定義はあくまで働き方であり、いかにデジタルツールを駆使して、効率よくいつでもどこでも働けるようにするかということであるのに対し、新しい概念はちょっと違います。

ここでいうノマドワーカーは「フリーランスの人で、仕事をする場所が不特定、ひとつの組織に縛られず自由な生き方を実践している人、そのライフスタイルを謳歌し、成功をしている(または夢見ている)人たち」の事を指し、ノマド=オシャレという誤解もあいまって、ノマドという言葉を分かりづらくさせる一員となりました。

しかしここで言うノマドワーカーは一匹狼な上に定住する場所もありません。その上収入も不安定です。確定申告も保険の手続きも全部自分で行い、基本何の後ろ盾もないのです。フリーランスな上にオフィスも持たず成功を夢見ることは果たして歓迎されるべきライフスタイルなのだろうかと批判を受け、誤解をうけてきたのです。

この2つ目の定義を広めた方々のうちのお一人が安藤美冬さんという方と言われています。

安藤美冬公式サイト

しかし彼女のように理想のワークスタイルをかなえるのには相当の実力と地味な努力が必要です。自分を一人で売り込めるような実力とタレント性が必要と肝に銘じてください。

4.誤解を受けないノマドな生き方とは

あくまでノマドは3-1.にあるもともとの定義が重要です。ファッション的な面や自由な生き方に惑わされず、本来の目的ともいえる業務効率をあげることを考えるべきです。現役サラリーマンがノマドワーカーを目指すのであれば、現在の業務の中でどうすればデジタルツールを駆使し効率よく働けるのか、どんどん実践してみてください。ノマドな働き方が自分の中で実証できるようになれば、場所を選ばず仕事ができるようになるので、業務時間に余裕が生まれ、新しいビジネスのアイデアを考えることに使ったり、新しいスキルを身につけることも出来ます。実力がつけば独立を考えて、自分なりのライフスタイルを確立することも容易になるでしょう。また、ノマドといえば、働き場所をあちこち転々とするものですが、特定のオフィスを持たないことに固執せず、自宅や、コワーキングスペースなどメインの仕事場をしっかり持つことも大事です。特定のオフィスを持ちながら、気が向いたときだけちょっと気晴らしにカフェを使ってもいいのです。自分が仕事がしやすく居心地のよい場所で実力を発揮できるようにすることがノマドワーカーとして快適に働くコツです。

5.ノマドにも向き、不向きがある

日本でノマドをで牽引してきたのは、松村さん、佐々木さんのようなフリージャーナリストの存在が大きいです。もともとジャーナリストの仕事は外出して人と会ったり、取材することが多く、記事の作成などは紙とペンがあれば場所を選びません。今ではデジタルデバイスと通信環境があれば、逆にオフィスは必要ないと考えるのもごく自然な流れです。

他には、ライター、デザイナー、プログラマーなど専門性が高く、スキルとセンスが問われるような仕事は、毎日決まったオフィスで働く必要はなくノマドに合った働き方と言えるでしょう。

日本企業でも近年欧米のように、専門性の高い仕事はプロジェクト単位でフリーランサーに依頼するように変化してきました。また終身雇用は崩壊してきており、日本における雇用形態は日々変化しています。近い将来これらのノマド向きの職業は正社員が激減し、ノマドが原則になる日がやってくるかもしれません。特にノマド向きの職業に就く方々は、将来に備え、業務効率と専門性を高められるよう、スキルを磨くべきと考えます。

6.ノマドワークを始めたい人へ

もしあなたが高いスキルを持っていてノマドワーカーとして働ける環境があるなら、ぜひノマドを実践してください。まずは、始める前に前提条件と必要な能力などを理解しましょう。

6-1.ノマドを始める前提条件

モバイルデバイスや通信機器を自由に使いこなすスキルは言うまでもなく必須となります。またセキュリティーに対する備えも万全である必要があります。またモバイルデバイスがトラブルを起こした時に自分で多くの事を解決できる力も必要です。これらのツールや知識・能力を持っているという前提で、さらに必要なものを下記に挙げます。

6-2.ノマドワーカーに必要なものとは

-人脈、人間関係を大切にする

ノマドワーカーとして働く場合、自分のスキルだけが頼りと思う人もいるかもしれませんが、あちこちと転々する働き方であるからこそ人脈が大事になってきます。人脈のおかげで仕事の依頼が発生することも多く、無視することはできません。またノマドワークのためのスペースを提供してもらったり、仕事に関係する人を紹介してもらう可能性もあります。人脈を大事にしながらスキルアップをはかるのはノマドワーカーの必須作業です。

また、同じ職種の人たちと横のつながりを大事にすることも人脈づくりだけでなく、スキルアップの面でも大いに役に立ちます。セミナーや勉強会など積極的に参加して横のつながりを広めましょう。

-コミュニケーション能力

人とのコミュニケーションが苦手だから、場所を選ばず一人で仕事をしたいプレノマドワーカーもいるとは思いますが、一人で決まった場所で働かないからこそコミュニケーション能力は必要となってきます。サラリーマンであってもノマドワーカーとして働く場合、一人でお客様とのやり取を完結する必要に迫られることは多いもの。どうしても電話や対面で話すのが苦手なら、メールでのやり取りをうまくこなせる能力で乗り切ることもできる可能性もあります。自分に合った方法で、最大限のコミュニケーション能力を発揮できるよう頑張ってください。

-アナログ機器への対応

デジタルデバイスと高速通信で最先端の働き方をするノマドワーカーからすると時代遅れ感のあるアナログ機器ですが、あなたのクライアントが利用しているのなら、可能な限り対応できる余裕を持っていた方が有利です。ノマドワーカーの場合固定電話を持たない場合も多いですが、03から始まる固定電話を信用のためにも持っておきたいもの。03から始まる電話番号は、スマホのアプリで受信もできます。クライアントがファックスを多様するようならインターネットファックスが便利です。クライアントの要望に快く応えられるよう、このような便利ツールもどんどん利用してください。

-英語力

特定の分野で高い能力を持ったノマドワーカーなら、仕事のオファーは海を越える可能性もあります。海外からのオファーが来るほど高いレベルで仕事ができるなら、国を超えた本当のノマドと言えるでしょう。いつどこに居ても仕事に困ることはありません。しかしどんなにスキルの高いエンジニアでも、多くの場合通訳がつくようなことはありません。突然海外からオファーが来てから英語を勉強するよりは、スキルの一つとして自分のキャリアや専門分野については英語で話せるよう心がけましょう。また日本人で英語ができる事は、後ろ盾のないノマドワーカーの大きな武器となります。ぜひ嫌がらずに英語力を身に付けましょう。また国内にいるからといって安心してはいられません。例えばエンジニアやプログラマような仕事はどんどん賃金の安い外国の会社にアウトソースされるケースも普通になってきました。また日本で就業している外国人エンジニアも多数います。賃金の安い外国人に対抗するためには、可能な限り外国語スキルも身につけて自分の価値を高めても損はありません。

最後に

少子高齢化の現在、労働人口の減少が見込まれています。現在働き盛りの人たちは重要な労働力であるにもかかわらず、いつ親の介護に借り出されるのかわかりません。そんなときでもノマドワークなら介護をしながらの在宅勤務も可能です。どこでも能力を発揮出るよう備えておくことはこれからの大事なスキルになってきます。また近年AIの発達により、コンピュータやロボットに人間の仕事が取って代わられることも考えられます。専門性が高く、難しい仕事は簡単にロボットに変わることはできません。ぜひ専門性を高め、効率のよいワークスタイルを維持できるよう将来に備えてください。

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